フロントラインプレスのメンバー、伊澤理江さんの新著『黒い海 船は突然、深海へ消えた』(講談社、2022年12月刊)が、新聞・雑誌等の書評で高い評価を受けています。4刷も決定しました。調査報道のプロセスがよく分かる、スリリングな著作。もともとはサブスクのSlowMewsに連載されていたものですが、その後の取材なども踏まえ、大幅に加筆されています。
各書評や著者インタビューなどは、下記から参照ください。
◆『黒い海 』 海の『エルピス』調査報道が明らかにする未解決事件の「真実」
(HONZ 2023年1月5日、首藤淳哉氏)
興奮冷めやらぬままこれを書いている。すごいノンフィクションを読んだ。大晦日に読み始め、気がついたら年が明けていた。この本は読み始めたら途中で止めることができない。
ある未解決事件の謎に単身挑んだジャーナリストが、ファクトを丹念に積み上げ、真相に迫る。ところが、あらゆる可能性を吟味し、これしかないという仮説に辿り着くが、国の調査結果はこれを否定するものだった。目の前に機密の高い壁が立ちはだかる。明らかに国は何かを隠しているのに、その先に進むことができない……。迫力ある一冊だ。これが初めての単著というから驚く。デビュー作にしてこれほどの傑作というのは、近年記憶にない。 ⇒ 全文を読む
◆「休むことなく最後まで読み続けてしまった」
(桶川ストーカー殺人などの調査報道で知られる清水潔氏=日本テレビ記者・解説委員、2022年12月26日の連続ツイート)
読まねばならぬ本が数多く溜まっていた。そんな中で手元に届いたのが本書「黒い海」だ。表紙をめくり、数行だけ読んでみるつもりだった…、しかし、そのまま休む事なくラストまで読み続けてしまったのだ。 2008年、太平洋の真っ只中で碇泊していた漁船が大きな衝撃と共に傾く ⇒ 続きを読む
◆ある海難の真相… 独自取材の醍醐味
(月刊FACTA 3月号、小俣一平氏=ノンフィクション作家)
正月2日、寝食を忘れるほど一気に読んだ。読み終えたとき「凄い本だな」と、しばらく興奮を隠せなかった。テーマとなった海難事故は、2008年6月23日午後1時半ごろ、千葉県犬吠埼灯台の東約350キロ沖の太平洋で発生した。福島県いわき市の酢屋商店所属巻網漁船第58寿和(すわ)丸135トンが転覆し、乗組員20人のうち3人は救助されたものの4人が死亡、13人が行方不明になったのだ。船はなぜ突然転覆沈没し、深海に消えたのか。 ⇒ 全文を読む
◆海難事故追う迫真の記録
(共同通信配信 2023年2月、梯久美子氏=ノンフィクション作家)
未解決の海難事故を追いかけた迫真の記録。綿密な調査と取材に感嘆すると同時に、スリリングな筆致に魅せられた。
◆「事件」疑う情報 謎の真相追う
(朝日新聞 2023年3月4日、行方史郎氏)
17人が亡くなったこの漁船事故の記憶は、驚くほど薄い。それだけに冒頭から展開される壮絶な描写に一気に引き込まれた。(中略)権力を持つ側にとって都合の悪いことが公式な記録から排除され、「正しい歴史」として伝わる。著者が抱く危機感を私も別の取材で感じたことがある。であればこそ、丹念に証言を集めた本書には普遍的な意義と価値がある。読後感が意外にも晴れやかなのは著者自身がまだ希望を捨てていないからかもしれない。 ⇒ 全文を読む
◆今週の本棚:著者に聞く 伊澤理江さん 忘れられた海難事故に迫る
(毎日新聞 2023年3月4日 栗原俊雄氏)
きっかけは2019年、ネットメディアの記者として福島県いわき市のコミュニティー紙を取材で訪れたことだった。編集長が県漁連会長に取材に行くと聞き、「自分の記事に使う写真を撮影しておこう、というくらいの気持ち」で同行させてもらった。編集長が「変だったよねえ、あれ。いまだに原因がね」と言うと、会長は「波だっていうけど……納得できねぇよな」。08年、千葉県銚子市の犬吠埼沖で漁船が沈み17人が死亡・行方不明になった事故を巡る会話だ。会長は船主だった。 ⇒ 全文を読む
◆話題の本:著者に聞く 黒い油の海に沈んだ船、国の事故調査への疑問
(週刊東洋経済 2023年3月5日、前野裕香氏)
太平洋上で碇泊していた中型漁船「第58寿和(すわ)丸」が、突如、大きな2度の衝撃を受け沈没した。1度目は「ドーン」、2度目は「ドス」「バキッ」という構造物が壊れるような音がしたという。乗組員20人のうち17人が犠牲になった。2008年6月のことだ。それから11年後、著者は偶然に事故を知った。3年にわたる100人近くへの丹念な取材から見えてきたものとは──。
◆実話である本書を手に取れば、一気にページをめくって「真実」にたどり着きたくなるだろう。(西日本新聞 2023年1月23日)
◆日本海難史上最大のミステリー、著者に聞く(日刊SPA! 2023年2月17日)
◆丹念な取材で漁船事故の真実を探る(日経ビジネス 2023年3月3日)
◆これが国の報告書とは…、突如沈没した「第58寿和丸」に何が起きたのか(JBPress 2023年3月17日)
このほか、日本経済新聞、中日新聞、東京新聞、中国新聞、河北新報、福島民報、福井新聞、京都新聞、神戸新聞、山陰中央新報、熊本日日新聞、沖縄タイムス、琉球新報、日刊ゲンダイ、週刊新潮、週刊文春、週刊朝日など、主要メディアの書評や著者インタビューなどで紹介されています。
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