調査報道グループ・フロントラインプレスは【選挙運動費用・政治資金をめぐる一連の報道と、「選挙運動費用データベース」の構築】で、2025年度の日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)を受賞しました。フロントラインプレスと協働するスローニュースとの共同受賞です。
JCJ賞は、新聞・放送・出版などにおける優れたジャーナリズムの仕事を顕彰するもので、1958年から始まった歴史ある賞です。フロントラインプレスの受賞理由は、以下のように説明されています。
フロントラインプレスは調査報道サイト「スローニュース」を通じて、与野党の国会議員の政治とカネの問題を独自の視点で掘り下げて報じた。沖縄県において、国と契約関係にある企業が選挙直前に自民党の国会議員を代表とする政党支部に献金をおこなってきた問題や、与野党の国会議員がみずからの政治団体に寄付し還付申告によって税額控除を受けている問題、自民党の政党支部が都道府県連から資金を受け取っているが都道府県連側には対応する支出記録がない事例が多数に及ぶ問題などである。これらは政治資金収支報告書の丹念な収集・分析を含む、地道な取材の成果と言える。
加えてフロントラインプレスは、日本大学法学部・安野修右准教授の研究室およびスローニュースと共同で、選挙運動費用収支報告書をネットで閲覧できる「選挙運動費用データベース」を構築し、公開を始めた。このデータベースは手書きの文字の検索も可能となっており、同じ費目について各候補者の記載を横断的に比較することもできる。選挙運動費用のデータベース化は日本で初めての試みとのことで、幅広いジャーナリストや研究者に活用の機会を開いている点も含めて、ネットメディアならではの取り組みとして評価できJCJ賞に値する。
その他の受賞者は以下の通りです。
【JCJ大賞】
・『地震と虐殺 1923-2024』 安田浩一 中央公論新社
【JCJ賞】
・被爆80年企画「ヒロシマドキュメント」 中国新聞社 取材班
・「沖縄戦80年 新しい戦前にしない」キャンペーン報道 琉球新報社 取材班
・一連の鹿児島県警情報漏洩事件の報道 ドキュメンタリー「警察官の告白」 鹿児島テレビ放送 取材班
フロントラインプレスの受賞対象となった「政治資金」「選挙資金」に関するオリジナル調査報道は、スローニュースのサイトで読むことができます。
また、「選挙運動費用収支報告書データベース」はこちらです。