「調査報道とは何か」をネット上の記事で知る

  1. How To 調査報道

 「調査報道ってなんだろう」。その疑問に答えてくれそうなインターネット上のコンテンツをリンク集の形で紹介します。リンク先の記事は無料で閲覧できることを原則にしています。内容は適宜、更新・追加の予定です。(リンクの最終確認日:2021年9月25日。紹介の順番は必ずしも時系列になっていません)

■7回シリーズ「調査報道の可能性と限界」

 2014年9月〜10月、ヤフーの子会社が運営していたニュースサイト「THE PAGE」に掲載されたもの。調査報道の優しい解説。調査報道とは何かを簡単に知るには最適な内容だ。ただし、7回はいずれも「権力監視型の調査報道」について述べられており、社会課題探究型やデータ分析に依拠する調査報道などは論述の対象になっていない。シリーズは現在、「Yahoo!ニュースオリジナル特集」に統合され、無料で閲覧できる。

第1回 「権力が隠す真実」を「発表に頼らず」報道する

第2回 “情報コントロール”の場ともいえる記者クラブ

第3回 時の政権が崩壊も 調査報道の威力と歴史

第4回 調査報道は何を「きっかけ」に始まるのか

第5回 「内部書類を手に入れろ」調査報道のプロセスは?

第6回 調査報道の難しさ「情報源秘匿」と「1人旅」

第7回 米国ではNPOが次々誕生 調査報道の未来は?

■「調査報道」の社会史 第1回〜第5回

 NHKで社会部担当部長、NHKスペシャル・エグゼクティブ・プロデューサーなどを務めた小俣一平氏がNHK放送文化研究所(文研)の研究員時代に発表したもの。全回が文研のHPで公開されており、PDFのダウンロードもできる。
 論文は2009年2月から6月にかけ、文研が毎月発行する「放送文化と調査」で公表された。初回は次のような書きだしで始まっている。

 「調査報道」は、一言で言えば、発表に頼らぬ自前の報道、つまり自社で調べて、自社の責任で報道する記事やニュースのことである。1960年代後半から70年代にかけて、アメリカでは「調査報道」が盛んに取り上げられた。ちょうど「ベトナム秘密報告」のすっぱ抜きや「ウォーターゲート事件」といった歴史に残る「調査報道」が紙面を埋めていた時期だった。しかし80年代以降、アメリカの「調査報道」は一気に下降線をたどり始める。21世紀に入って新聞社の買収が相次ぎ、利益優先、コスト削減のため経費のかかる「調査報道」は経営者にとって“金食い虫”としか映らない。
 では日本の『調査報道』はどのようになっているのであろうか。紙面や画面で見る限り各社は常に「調査報道」でしのぎを削っているように見える。しかし活字離れ、テレビ離れがメディアを直撃している。インターネット時代を迎え、情報が氾濫する中、新聞読まない、放送見ない、雑誌買わない世代が急速に増えている。大学生たちのほとんどが、インターネット配信のニュースで事足りるとしているからだ。だがインターネット時代になればなるほど、新聞、テレビ各社の存在価値を際立たせるものとして「調査報道」があるのではないだろうか。いまこそ、「調査報道」とは何かを考える時期に来ている。
 本稿は、数多のジャーナリストが思い描いている「調査報道」観に言及しながら、ジャーナリズムを担う者たちが、今世紀を生き延びる手だてとして「調査報道」が欠かせないものであることを明らかにしていきたい。

第1回 調査報道とは何か

第2回 「調査報道」と「特別調査報道」

第3回 「特別調査報道」の社会的影響

第4回 「調査報道」を阻む壁

第5回 「調査報道」がジャーナリズムを活性化させる

■「公益通報(内部告発)と取材・報道」

公益通報者保護制度に関するヒアリングのために、朝日新聞の奥山俊宏記者が作成したメモ。2014年10月7日付。消費者庁のHPに掲載されている。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/research/hearing/pdf/141007_siryo2.pdf

■梓澤和幸弁護士インタビュー

2004年4月、「図書新聞」に掲載されたインタビュー記事。<「報道の自由」の危機>がテーマだが、調査報道の持つ意味と役割も語られている。
https://www.azusawa.jp/interview/tosho-2672.html

■書籍「権力VS調査報道」のまえがき

 フロントラインプレスの高田昌幸代表らによる著書「権力VS調査報道」のまえがき全文。まえがきでは、著者による取材経験の一端が披露されている。書籍は2011年秋、旬報社から刊行された。まえがきが紹介されているのは、早稲田大学ジャーナリズム教育研究所(当時)のHP。
http://www.hanadataz.jp/02/kizi/takada/kenryoku/ken.html

■なぜ日本のマスコミは「マスゴミ」と呼ばれるようになったのか 「調査報道が注目される本当の理由

 PRESIDENT Onlineで2021年4 月18日に公開された対談。朝日新聞の元主筆でアジア・パシフィック・イニシアティブ理事長の船橋洋一氏と、ジャーナリストで専修大学教授の澤泰臣氏が向き合った。聞き手はスローニュース社長の瀬尾傑氏。「権力監視型」にとどまらない、幅広い視点で調査報道をとらえ、現代の役割を論じている。
 対談の冒頭で、船橋氏は次のように語っている。

 かつては「政府のスキャンダルを暴いて退陣に追い込む」といった、映画『大統領の陰謀』的な報道が調査報道のモデルとされていましたが、今は医療や福祉、教育など生活に関わる報道にまで、裾野が広がってきています。とりわけインターネットで個人が自らの体験を書くようになって、「一般市民も調査報道の担い手である」という、新しい時代に入っていると感じます。

https://president.jp/articles/-/45099

■調査報道サブスク「SlowNews」瀬尾傑社長インタビュー

 Hon.jpに掲載されたインタビュー。2021年4月15日公開。「調査報道の仕組みを次代に残す」「大事なのは量より質」などをテーマに語っている。
https://hon.jp/news/1.0/0/30880

■【世界報道自由デー・特別インタビュー】西日本新聞「あなたの特命取材班」で表明した『読者とつながる』

 読者から届いた疑問や質問を記者が取材し、社会の問題解決を目指す双方向型の調査報道「あなたの特命取材班(あな特)」。2018年から始まった取り組みは、地方の新聞社やテレビ局など29メディアに広がった。質問を受け付けるLINEの登録者数は19,000人を超え、これまでに15,000件超の質問や情報が寄せられたという。記事を配信したYahoo!ニュースでの閲覧は約4億PVに達する。
 そうした仕組みのし掛け人、西日本新聞の坂本信博記者へのインタビュー。記事は2021年5月3日、「福岡ふかぼりメディア ささっとー」に掲載された。
https://sasatto.jp/article/entry-1133.html

■記者100人の声

 新聞や雑誌の記者、編集者、テレビ番組の制作者、ネットメディアのインタビュアーなど、あらゆる「記者」の声が100人分詰まっている。調査報道を解き明かす記事群ではないが、これからの調査報道に不可欠な「目線の多様化、取材者の多様化、媒体と見せ方の多様化」を考える上で大きなヒントになる。

 プレスリリース配信サービスのvaluepress上で2012年から2019年にかけて公開された。
https://www.value-press.com/topics/media_interview

■UNLEASHの特集「メディアの未来を探る」

 欧州在住の向晴香氏が紹介する欧州メディアの最新事情。
https://unleashmag.com/feature/future-media/
とくにオランダで試行されている調査報道への取り組み事例は参考になる。
https://unleashmag.com/2021/06/17/lighthouse_reports/

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