◆政令市のトップは静岡市、最下位は横浜市・名古屋市
次に政令市20市のランキングを見てみよう。
公開度が最も高い静岡市は97点で、ほぼ満点に近い。2位の京都市、3位の堺市、4位の新潟市も90点以上という高評価だった。
一方、最下位は、横浜市と名古屋市がともに12点という低レベルで並んだ。領収書や会計帳簿といった重要書類をまったくネットで公開しておらず、閲覧するにはわざわざ議会事務局まで足を運ぶ必要がある。このネット時代に有権者にそこまでさせる議員の感覚とは、いったい何なのだろうか。名古屋市は6年連続の最下位で、2019年には議会運営委員会が「可及的速やかにネット公開を行う」と取り決めたが、実際は何も進んでいない。
◆中核市62市のランキングは?
公開度トップの函館市は、全議会を通じて唯一の100点満点だった。地元のオンブズマン組織が早くから税金の使い方に目を光らせ、数々の指摘を繰り返すなどしてきた結果、透明度が全国トップクラスになったのだという。政務活動費の不正で市議14人が立て続けに辞職した富山市は、公開度2位。その後に透明化を図ったことがプラスになったようだ。
下位に並んだ議会は、ここでもネット公開がほとんどされてない。そのために、評価点数が低くなっている。
47都道府県、20政令市、62中核市の計129議会をトータルで見ると、評点が50点以下という“失格”は52議会(40.3%)だった。
全国市民オンブズマン連絡会議が、政務活動費の状況を初めて調査し、公表したのは2002年である(当時は「政務調査費」)。そのとき、収支報告書に領収書、視察報告書を添付している地方議会は、都道府県・政令市ともゼロだった。その結果に衝撃を受けたオンブズマン側はこれ以降、政務活動費の透明性に関する調査を継続。都道府県議会では2003年調査で、初めて京都府が5万円以上の領収書を収支報告書に添付するようになった。
ところが、その後の歩みは遅く、47都道府県がすべて領収書を添付するようになったのは2015年を待たねばならなかった。
一方、領収書のネット公開は遅々とした歩みながら、少しずつ進んでいる。都道府県・政令市・中核市のうち、ネット公開を実現させたのは2016年時点では、わずか9議会だった。翌2017年からは30議会、49議会、62議会と増加。2020年には初めて5割を超えて73議会(57.5%)となった。今回詳報した2022年調査では、22都府県、13政令市、47中核市の合計82議会(63.6%)を数える。