ネット公開されない「政務活動費」の領収書 全国議会の状況を一挙公開! 全国オンブズマンの調査から

  1. オリジナル記事

◆情報公開度が高い議会ほど政務活動費の執行率は低い

全国市民オンブズマン連絡会議によると、ネット公開など情報公開度が高い議会ほど政務活動費の執行率は低くなるという関係がある。

例えば、中核市でランキング2位の富山市(97点)は、前述したように2016年には不正受給によって議員14人が辞職する異常事態を招いた。不正受給が続いていた2015年度の執行率は100%。調査対象の全議会のうち、唯一、全額を使い切っていた。

ところが、不正をきっかけに領収書のネット公開など透明化を図ったところ、執行率は35.9%(2021年度)まで下がった。

不祥事が起きた、または領収書がネット公開された翌年には、政務活動費の執行率が減少する実態は、政務活動費が本来の調査研究活動に支出されていないことを示している。前出の児嶋氏は次のように言及している。

「政務活動費はもともと、議会活動を活性化することを目的として法制化されたもの。そうである以上、政務活動費を用いた議会活動がどのような内容だったのかを市民にわかりやすく説明するのは、政務活動費を受領した側の義務。透明化に反対するなら、政務活動費の交付は不必要です。

政務活動費の支出を透明化することにより、市民は議員の興味・関心や活動の実態を生の資料で見ることができます。支出資料を通して議員が行った調査研究を知り、自分が投票した議員が期待通り働いているかを知ることができるのです。地方政治に市民が参加するために有益な情報。最近は不正問題がクローズアップされますが、政務活動費に対する関心を不正の追及にとどめていると、本質を見失うでしょう」

■以下に「都道府県議会」「政令市議会」「中核市議会」の全ランキングを掲載する(スコアの算出方法などは上記と同じ)

1 2

3

And More
  FRONTLINE PRESSにはこの他、多くのメンバーが加わっています。政治、国際、経済、司法・省察、人権など多様な分野で取材経験を積んだ記者たち。あるいは専門分野を極めた研究者らも加わっています。...
 
 
   
 

関連記事