英国の小学校「超厳格コロナ対応」から学べること 消毒に次ぐ消毒、一定の距離確保などを徹底

  1. オリジナル記事

英国の小学校「超厳格コロナ対応」から学べること 消毒に次ぐ消毒、一定の距離確保などを徹底(2021・7・10 東洋経済オンライン)

 6万5000人超の死者を出すなど、深刻なコロナ禍に見舞われたイギリスでは、今も厳しい状況が続いている。この春には全国的なロックダウン(封鎖)も段階的緩和に向かったが、再び感染者が増加。6月下旬に予定されていたロックダウンの完全解除は4週間延期された。教育現場でも忍耐と混乱が続く。3月から学校は再開されたものの、この間、教育現場はどんな状態だったか。イギリスのごく平均的な小学校の教員たちに「コロナ禍の学校」を語ってもらった。

アン・ルイーズ・マッカーサーさん(本人提供)

◆登校の時間も10分おきに違う

 アン・ルイーズ・マッカーサーさんの勤務するスウェイルクリフ・コミュニティ・プライマリースクールは、イギリス東部・ケント州の公立小学校だ。彼女はこの道32年のベテラン教員。現在は6年生を受け持っている。小学校と中学校、特別支援教育の資格を有し、イギリスのほかにオーストラリアの学校でも教壇に立ってきた。
そうした経験を踏まえてもコロナ禍は前代未聞の経験である。

 ――学校では、どんな感染防止策を採用してきたのでしょうか。例えば、昨年9月の新学年開始時からは、それまでの「オンライン授業のみ」ではなく、対面も始まりました。どんな感染対策をしていますか。

 教員は全員、マスク着用を義務づけられ、私はフェイスシールドを使っています。教室へ出入りするときは必ず手指を消毒。子どもがくしゃみをしたら、その子は教室から出て手を洗い、消毒します。
 私は、プリントを配布する前にも手指を消毒。机の消毒も定期的に行い、昼食の前後には特別なスプレーで消毒します。飛行機の客室などで使われる産業用消毒スプレーを導入し、教室や机などあらゆるものを消毒しているんです。とにかく1日中、消毒に次ぐ消毒です。
 教員は、職員室に行くことはできますが、1回の在室時間は15分。1回の入室人数も制限され、室内でもお互いに一定の距離を保たなくてはなりません。入室と退室のときは手指を消毒、電気ケトルも使う前と後にハンドルを消毒します。水道の蛇口や冷蔵庫の扉、電子レンジもです。

 こうした結果、昨年9月以来、私とクラスの生徒たちは、完全な「バブル状態(他の児童との交流を避ける状態)」にあるわけです。登校時間もクラスごとに、10分おきに違います。担任が門まで自分の生徒を迎えに行き、全員を教室まで連れてくる。その10分後に次のクラスが到着するという流れです。時間が決まっているので、ほかのクラスの生徒とは会わないようになっています。休み時間の校庭も、クラスごとにエリアが決められていて、やはりほかのクラスとの距離を保つようになっています。この状態は、少なくとも今年の7月まで続きます。

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 この記事は<英国の小学校「超厳格コロナ対応」から学べること 消毒に次ぐ消毒、一定の距離確保などを徹底>の前半部分です。2021年7月10日、東洋経済オンライン上で公開しました。

 記事の全文は同サイトで読むことができます。以下のリンクからアクセスしてください。
英国の小学校「超厳格コロナ対応」から学べること 消毒に次ぐ消毒、一定の距離確保などを徹底

 日本以上に深刻なコロナ禍に見舞われた英国。子供たちはどのような学校生活を送っていたのでしょうか。フロントラインプレスの越膳こずえさん(英国在住)は現地の学校教員にインタビュー取材し、東洋経済オンラインで2回の記事を公開しました。

 もう1本の記事も同サイトで読むことができます。下記のリンクからアクセスしてください。

英小学校教師が吐露「コロナ禍の学校教育」真の不安

 なお、新型コロナウィルスの感染に関する状況や情報は、めまぐるしく変遷しています。ここで示した記事は、いずれも公開時のものであることにご留意ください。コロナに関する最新情報は、政府や自治体などの信頼できるサイトで確認してください。

越膳こずえ
 

通訳・翻訳家、ジャーナリスト。アートや音楽、建築をはじめ、幅広い文化ジャンルをカバー。ロンドン映画祭を含む映画プレミアでの通訳を担当。Apple、BBC、Chanel、Kokuyo、MoMA、各地方自治体など、様々なジャンルのクライアントとの通訳、翻訳経験を持つ。英国ロンドン在住。

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