DV加害者だった52歳夫を変えた強烈な「自覚」 耐えかねた41歳妻が被害者になり気づかせた

  1. オリジナル記事

DV加害者だった52歳夫を変えた強烈な「自覚」 耐えかねた41歳妻が被害者になり気づかせた(2020・09・29 東洋経済オンライン)

 新型コロナがもたらしたのは、経済危機だけではない。ステイホーム期間だった今年4~5月、全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数は前年より2割から3割多かった。「DV被害者は逃げてください」が被害者救済のための基本的な方針だが、コロナ禍ではそれも難しかっただろう。では、加害者はどうだったのか。そもそもDVの加害者は変われないのか。加害者プログラムを今年卒業し、DVや虐待に悩む人たちのための団体を立ち上げた夫妻の話から始めよう。

中川拓さん(撮影:ニシブマリエ)

◆妻を叩いても「DV」の自覚はなかった

 引き金はいつも、取るに足らないことだった。
「カレーには福神漬けとラッキョウ。とんかつにはソース。くだらないことなんですが、こういった約束事が守られていないと、何度言えばわかるんだとイラついてしまって」
DVの元加害者、中川拓さん(52)はそう振り返る。1年間通った加害者プログラムを今年2月に卒業。現在は宮崎県西都市で一般社団法人エフエフピーを夫妻で立ち上げ、自身の経験をもとにDVや虐待の相談を受けている。

 拓さんはかつて、妻の亜衣子さん(41)に対し、言葉の暴力やモラハラを繰り返し、平手で叩いたこともあった。
「もちろんケガをしない範囲で。スーパーでお母さんが子どもに『ダメでしょ!』と頭をポンと叩いていることがあるでしょう。あれと同じ。しつけの一環だったんです」

 昔からリーダー気質だったという。学校では学級委員や応援団長をこなし、人気者で“モテる”タイプでもあった。
「妻には『俺が上、お前は下』くらいのことを言っていて。今思えば、いろんな刷り込みから、男らしさをはき違えていたんです。決め癖がついていて、夫婦で何かを決めるときも『君はどうしたい?』じゃなくて『これでいいよね?』と決めてしまう。妻はそれに納得していないから、約束したことを忘れることがある。それを指摘するとむくれた顔をするので『やることやってない奴が、何むくれているんだ』と説教を始めるわけです。あくまで自分は正しい側にいる。委縮して何も話せない妻に『なに黙ってんの』とさらに圧力をかけて……。それでも自分がDVをしている自覚はありませんでした」

◆「あれはDVだった」と気づいた妻

 結婚から3年後の2018年秋。2人は東京から宮崎に引っ越した。大きな庭のあるマイホームが欲しくて、亜衣子さんの生まれ育った宮崎を選んだ。ところが、宮崎に来て1カ月後、亜衣子さんが突如いなくなった。どこに行ったんだといら立ちながら帰りを待っていると、数時間後に「離婚したい。子どもは私が育てる」という趣旨のメールが届いた。
亜衣子さんは、結婚当初に言われた「俺が上、お前は下」を楽観的に捉えていたという。
「やっぱり、夫を“好き”という気持ちがあるので、正直『亭主関白な人なんだな』くらいにしか思わなかったですね」

 しかし、結婚直後から亜衣子さんは夫の顔色をうかがうようになった。頼まれごとを忘れたり、少しでも反抗的な態度を見せたりすると、夫に怒りのスイッチが入ってしまう。説教は5時間以上に及び、「死ね」「生きている価値がない」といった言葉の暴力を投げつけられたこともある。
「でも、自分がDVを受けている自覚はなかったんです。言われたことをできない自分が悪い、と。拓さんから言われるのと同じように、自分に対して『生きてる価値ないのかも』と思い始めたりして」
家出は計画的ではなかった。
怒られる頻度は最初、週に一度くらいだったのに、次第に揉め事は毎日のように起きるようになった。限界になった亜衣子さんは「ここを出なければ」という一心で実家に向かった。警察に電話し、いきさつを話すと、「それはDV」と言われ、初めて自分はDV被害者という意識を持った。

中川拓さん、妻の亜衣子さん(撮影:ニシブマリエ)

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 この記事は<DV加害者だった52歳夫を変えた強烈な「自覚」 耐えかねた41歳妻が被害者になり気づかせた>の冒頭部分です。2020年9月29日、東洋経済オンライン上で公開しました。
記事の全文は同サイトで読むことができます。以下のリンクからアクセスしてください。写真の配置は異なっています。
DV加害者だった52歳夫を変えた強烈な「自覚」 耐えかねた41歳妻が被害者になり気づかせた

 ドメスティックバイオレンス(DV)の被害が後を絶ちません。DVによる夫の逮捕事件も珍しいものではなくなりつつあります。事件にまで発展しなくてもDVによって深くひびが入った夫婦の関係はその後、修復できるのでしょうか。加害者はDVを克服する方法があるのでしょうか、あるとしたらそのプログラムはどのような内容かー。このテーマに取り組んだフリーライターのニシブマリエさんは、フロントラインプレスと協働し、東洋経済オンラインで3回の記事を公開しました。
残り2本の記事も同じように、東洋経済オンラインのサイトで読むことができます。以下のリンクからアクセスしてください。
「DVが殴る蹴るだけ」だと思う人の大いなる誤解 世代間で連鎖する「自覚なき加害者」の奥底
DV加害者にやめさせる為に絶対欠かせない条件 価値観の変化と被害を自覚させ痛み受け入れる

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