2030年冬季五輪 住民投票もないまま札幌開催が確実に?

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◆「IOCのバッハ会長がすでに日本側と協議」

 2030の冬季五輪は札幌での開催が最有力とされており、本年中にそれが決まりそうだー。共同通信がそんな独自記事を2022年1月1日朝刊用として加盟社に配信した。各紙は『2030年冬季五輪、年内にも内定 札幌本命、IOCと協議』などの見出しを付けて掲載している。

 それによると、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と日本側は2021年12月、水面下で2030年の冬季五輪開催地などについて協議した。記事は「札幌は開催実績や運営能力への評価が高く、本命視されており、同年(2022年)中に事実上、開催が内定する可能性もある」としている。

 IOCは開催地の選定方法を2019年に変更。開催を希望する都市と個別に協議し、最優先候補地を事前に一本化してIOC総会で決めることにしている。2030年冬季の開催候補地一本化は今年の夏から冬ごろになるという。

 札幌市は1972年に国内初の冬季五輪を開催した実績を持つ。しかし、招致に熱心な市や経済界と異なり、市民の間には拒否感も強いとされる。五輪に対するレガシーが薄れてきたことや、昨年夏に開催された東京五輪の開催費用が当初予算を大幅に上回ったことなどが理由だ。そのため札幌市は昨年11月、開催経費を900億円ほど圧縮し、3000億円弱程度とする方針を示した。また同市は今年3月、道内全域を対象として招致の是非を問う住民意向調査を実施する。ただし、この調査は住民投票条例に基づくものではなく、市当局は意向調査の結果に従う義務はない。

札幌・大倉山ジャンプ台。1972年冬季五輪札幌大会の会場になった(公式HPから)

 

◆「五輪開催には住民投票で主権者の意思を聞け」

 ジャーナリストで[国民投票/住民投票]情報室事務局長の今井一氏は昨年夏の東京五輪前に公開した記事『五輪開催の是非は、住民投票で決すべし!』の中で、「主権者の意思が反映されないままでの『強行突破』は、国民主権や市民自治に反する」旨を主張。最近の五輪招致では各都市とも住民投票を実施し、その結果に従うことが世界の主流だと指摘している。

■参考記事
『2030年冬季五輪、年内にも内定 札幌本命』(共同通信 2022年1月1日)
『五輪開催の是非は、住民投票で決すべし!(上)』(今井一氏、「論座」)
『東京五輪開催の5年前 予算の無軌道な膨張に警鐘を鳴らした東京新聞の検証報道』(調査報道アーカイブス No.56)

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