北京冬季五輪開幕 その陰で東京五輪のボート競技場は今頃になって活用案の協議を開始

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 北京で冬のオリンピックが開幕し、2月4日夜、日本にも開会式の様子が中継された。ちょうどその中継が始まる前、NHKニュースの首都圏ローカル枠で『東京五輪・パラ 海の森水上競技場 スポーツ以外の利用も検討へ』というニュースが流れた。

 コロナ禍で1年延期され、2021年夏に開催された東京オリンピック・パラリンピック。そのボートなどの競技会場になった「海の森水上競技場」と周辺の公園(東京都江東区)について、その活用策を話し合う有識者の会議が2月4日、オンラインで開催された。その模様を伝える短いニュースである。それによると、この競技場では年間に誘致する大会数の目標が、2022年度は目標に達しておらず、大会以外の利用も促進しようと、イベント会社の社長や大学教授、アルピニストや女優など、さまざまな分野の人たちが集まった。都の担当者は「大空が広がり、海や緑もある、非日常が味わえる空間なので、魅力的なアイデアをお願いします」と呼びかけたという。

東京都・海の森水上競技場(同施設のHPから)

海の森水上競技場は、総工費308億円をかけて東京五輪のために建設された施設だ。東京湾に面し、産業廃棄物処理場やごみ処理場が近接する。周辺に人の集う施設はなく、公共交通手段にも乏しい。五輪終了後は誰も利用しない「遺物」となってしまうのではないかと懸念されていたが、それでも、今頃になって活用策の協議が始まるという事態に呆れた人も多かったのではないか。

■参考
『東京五輪開催の5年前 予算の無軌道な膨張に警鐘を鳴らした東京新聞の検証報道』(フロントラインプレス 調査報道アーカイブス No.56)
『2030年冬季五輪 札幌開催が確実に? 住民投票もなく』(フロントラインプレス 2022年1月11日)

 
   
 

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