三重県の亀山と奈良県の天理を結ぶ自動車専用道路「名阪国道」。総延長60キロほどの上下線で、道路脇に設置されている非常電話が、ほとんど故障しているという事態がNHKの報道で明らかになった。非常電話136台のうち、実に116台が故障しているという。なぜ、こんなことが?
ニュースそのものもさることながら、取材の端緒、裏取り確認など取材の全プロセスを見せる記事がアップされている。それによると、きっかけはTwitterで発信された、たった1つのツイートだった。しかも、「いいね」が1件、「リツイート」は0件。ほとんど誰の注目も浴びていない。それは、次のような内容だった。
名阪国道の、針から亀山方面に走ってたら、途中に金属の台みたいなの落ちてた。
あぶないから、非常電話で連絡しようとおもったけど、全部故障してる。
一体どうなってんのよ
このツイートを知った記者はNHK津放送局ブログに「きっかけは1件のツイート 非常電話”8割故障”の衝撃」という記事を書き、次のように記している。
「名阪国道、非常電話で連絡しようとおもったけど、全部故障してる。一体どうなってんのよ」
先日、こんな内容のツイートがあるという連絡が、私のスマートフォンのメールに届きました。非常電話は、高速道路や自動車専用道路などで、いざという時に大切な存在。それがなぜ“全部”故障しているのか…。連絡をもとに取材を始めると、インフラをめぐる“変化の兆し”が見えてきました。
この後に続く取材プロセスが読ませる。小さな疑問、ちょっとしたきっかけ。「VS権力」といった大上段に構えたものではなくても、“日々の小さな調査報道”は読ませる。