警察庁・皇宮警察の警察官らは“こんな理由”で処分されていた 情報開示請求で調べた結果は……

  1. オリジナル記事

◆「建造物侵入」「盗撮」でも減給だけ

 懲戒処分の2人目は、皇宮警察の「警部補」。内容は女性風呂ののぞきと盗撮だった。2020年2月5日、場所は出張先の宿泊施設だった。「処分説明書」を引用しよう。■■の部分は、開示文書の黒塗り箇所である。

 「……午後5時30分頃から同40分頃までの間、新潟県南魚沼郡■■■■■■■■■■■■■■■■■において、女性浴室内をのぞき見し、動画撮影機能付携帯電話で内部を撮影したものである。この行為は、刑法第130条(建造物侵入)、新潟県迷惑行為等防止条例第2条第3項に抵触するとともに、国会公務員法第99条に違反する」

 新潟県条例の第2条は「痴漢行為等の禁止」、国家公務員法第99条は「信用失墜行為の禁止」である。ただし、罰則のある刑法や県条例に抵触するとされながら、この「警部補」は減給「月額10分の1・6カ月間」で済んだ。

 懲戒処分の3人目は関東管区警察局の「技官」。2019年3月16日開催の「平成30年度■■■■■退職者送別会」の幹事として集金を担当し、費用として預かっていた現金約42万円を横領した。「技官」はまた、消費者金融2社から約615万円、職場の同僚らから約183万円、計約828万円の借金があることが発覚。2つの事案を合わせて減給「月額10分の1・6カ月間」の処分を受けた。

◆那須御用邸の施設で「みだらな行為」

 一方、内規に基づく訓告は39人で、このうち「訓戒」は12人(前年7人)、「注意」は27人(同10人)だった。ここで目立ったのは、皇宮警察職員の多さ。3つの事案で19人に達している。

 皇宮警察学校の校長である「皇宮警視正」をはじめ、警視、警部、警部補ら12人は2019年6月から2020年1月にかけて、未成年の皇宮巡査らと那須御用邸(栃木県那須町)の敷地内の施設や都内の居酒屋などで飲酒を繰り返し、訓戒や注意を受けた。

皇宮警察職員の処分に関する公文書

 

 これとは別に、皇宮警察の男女の巡査4人は2019年6月27日、那須御用邸の施設でみだらな行為をしていた。4人のうち1人は既婚者。この4人はいずれも注意を受けた。

 さらに皇宮警察の巡査部長2人と巡査1人の計3人は、いずれも既婚者でありながら都内で不適切な交際をしていた。

 都道府県警の警視正以上で訓告を受けたのは2人。このうち宮崎県警の警視正は2019年6月から12月にかけて宮崎市内のゴルフ場などで許認可がからむ利害関係者とゴルフをしたとして、2020年3月に本部長訓戒となっている。

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本間誠也
 

ジャーナリスト、フリー記者。

新潟県生まれ。北海道新聞記者を経て、フリー記者に。

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