「経営悪化に伴って新聞がどんどん権力にすり寄っていく」 メディア関係者から厳しいツイート続出 【自民党・千葉日報社問題】

  1. オリジナル記事

 日本新聞協会に加盟する千葉日報社が、千葉県議会の最大会派「千葉県自民党」や自民党の県議から政務活動費で年間4000万円を超える広報業務を請け負っていた問題で、ツイッター上には両者の関係を疑問視する多くの声が投稿されている。メディア関係者のツイートも少なくない。

(第1報はこちら⇒『【スクープ】問われる「中立公正」県議会自民党から千葉日報社へ政務活動費が毎年4000万円超 新聞社が広報業務』

◆「桶川ストーカー殺人事件」の清水潔氏は「一発でアウト。レッドカード」

 「桶川ストーカー殺人事件」「足利事件」など数々の調査報道を手掛けた日本テレビ記者の清水潔氏(7.6万フォロワー)は、フロントラインプレスの第1報を受けて次のようにツイートした。

「千葉日報のこれは確信犯。報道機関として一発でアウト。レッドカードだと思います。一回やったら公平な報道の信頼回復は極めて困難」

◆文筆家の山崎雅弘氏「食うためだから仕方ない」から自発的に権力にすり寄るのか?

文筆家の山崎雅弘氏(10.6万フォロワー)は次のようにつぶやいている。

「『食うためだから仕方ない』『新聞だって霞を食ってるわけじゃない』等の言い訳で、メディアが権力に擦り寄って自発的に癒着する事例が増えてきた」

「もはや権力の暴走を止めるブレーキとしてのジャーナリズムも、社会の木鐸としての新聞も、日本国内では風前の灯」

◆朝日新聞記者・三浦英之氏 “報道機関はアタマから腐り始めている”

 朝日新聞記者でルポライターの三浦英之氏(5.2万フォロワー)も反応した。自衛隊の日報隠ぺい問題をめぐる報道で、石橋湛山記念・早稲田ジャーナリズム大賞を受けたことのある三浦氏。その投稿は、権力のウォッチドッグとしての新聞の役割低下の事例としてこの問題を受け止めていた。

「経営の悪化に伴って新聞がどんどん権力にすり寄っていく。『報道機関』とは何なのか。おそらくアタマから腐り始めていく」

◆映画「ほりぼて」の監督、五百旗頭幸男氏 “お金ほしさで行政に厳しい報道ができなくなった例は他にも”

 五百旗頭幸男氏(1.5万フォロワー)は、富山市議会の政務活動費不正問題を追及したチューリップテレビ(富山市)の元キャスター。富山市議会の政務活動費問題を扱ったドキュメンタリー映画「はりぼて」の監督を務めた。五百旗頭氏は次のようにツイートした。

「千葉日報が『経営難で自民党からお金をもらうのもやむなし』と考えたかは知りませんが、経営が苦しくなった新聞社やテレビ局が行政からのお金欲しさのあまり、行政に対する厳しい報道ができなくなった事例はあります。千葉日報はさらに深刻です」

 フロントラインプレスの取材では、県議会自民は少なくとも2017年度から20年度までの4年間、政務活動費から年平均1500万円以上を千葉日報社に支出。これとは別に、自民党県議計約30人は同じ期間、政務活動費から年2500万円以上を同社に支払っていた。

 千葉日報社が発行する日刊紙「千葉日報」は約14万5000部。同社は「公正中立」を自らの報道姿勢として掲げ、取材活動を続けている。日本新聞協会に加盟する報道機関として知られる。

 千葉日報は、千葉県政や県議会の取材拠点となる「千葉県政記者クラブ」に所属し、記者を配置している。同じ記者クラブには、読売新聞や毎日新聞、産経新聞、NHKといった全国メディアも加盟している。県政記者クラブに在籍する千葉日報関と県議会最大会派の政務活動費を介在した関係について、他の主要会派からは疑問視する声があがるとともに、これまで報じてこなかった全国紙などの姿勢を批判する声もある。

 
   
 

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