【続報】違反を知りつつ半年以上も放置/小平市の教師用指導書購入問題

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東京都小平市が2015年度と20年度、24年度に小学校の「教師用指導書」を購入した際、条例の定めに反し、議会の承諾なしに約9200万円余りを支出していた問題で、市教育委員会は昨年11月に条例違反の状況を把握していたにもかかわらず、今月まで小林洋子市長らに報告していなかったことがフロントラインプレスの取材でわかった。放置期間は半年余りになる。

小平市教委によると、昨年11月に小金井市など近隣自治体から教師用指導書の購入について照会があり、議会の承認を得ているかどうかを尋ねられた。市教委が確認したところ、20年度分について、議会の承認を受けておらず、条例の定めに反していたことが発覚した。担当職員から報告を受けた市教育指導担当部長は、青木由美子教育長らに口頭で事実関係を報告したものの、青木教育長は小林洋子市長に伝えず、事態を放置。今年6月に入って初めて市長らに報告したという。

条例違反を把握しながら半年以上も放置し、市長や議会に連絡すらしなかったことについて、青木教育長は「市長への報告は思いつかなかった」「教育委員会事務局に調査漏れが他にないか、発覚当初の段階で調査の指示をしなかった」などと述べた。隠蔽の意図については否定した。

また、2024年度分の指導書の購入については、条例違反のまま手続きを進めていたが、これについて市教育指導担当部長は「(昨年11月の)発覚時点で契約方法の見直しを進めていたが、議会追認に関する認識がなかった」と説明している。

小平市議会は24日、全員協議会を開催し、冒頭、小林洋子市長は「議決を経ずに支出した行為はあってはならない事態」と陳謝した。青木教育長も「このような事態を招き申し訳ない。再発防止に努めたい」と謝罪した。

小平市議会全員協議会で謝罪する青木由美子小平市教育長(右から3番目)=2024年6月24日 東京都小平市

 

 

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