国会議員「選挙余剰金」全調査 “抜け穴防げ”のキャンペーン

  1. オリジナル記事

国会議員「選挙余剰金」全調査 “抜け穴防げ”のキャンペーン(2019・6・17東洋経済オンライン)

 選挙で余ったお金の使途が確認できない――。各候補の選挙運動費用の収支を示す書類を分析すると、お金を余らせてその使い道を公開資料で確認できない現職議員が、衆参両院で268人いることがわかりました。調査や分析の対象とした議員460人の6割近くに当たります。余剰金には、国からの政党助成金や国が負担する選挙ポスター代などが含まれており、「公的」な性質を帯びています。
なぜ、こんな事態が起きているのでしょうか? 現行の制度に問題はないのでしょうか? 取材記者グループ「Frontline Press (フロントラインプレス)」と日本大学・岩井奉信教授(政治学)の研究室は、「選挙運動費用の余剰金」をめぐる全体像を初めて明らかにしました。

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 これは、調査報道記事「国会議員268人の選挙『余剰金が行方不明』の謎」の前文です。2019年6月17日に開始したキャンペーン報道の一環で、全文は東洋経済オンラインで読むことができます。下記リンクからアクセスしてください。
国会議員268人の選挙「余剰金が行方不明」の謎  調査対象の6割、公開資料で使途を追えず(東洋経済)

 キャンペーン記事はこれを含めて合計7本。以後は、次のように続きます。いずれも東洋経済オンラインで全文を公開しています。

閣僚8人の「選挙余剰金」が行方不明という現実

「選挙余剰金」 国会議員調査に映る意識の差

議員7人「選挙余剰金」 消えた公費負担分の理屈

議員秘書が語る「選挙余剰金」のすさまじい実態

公職選挙法の改正で「余剰金」の抜け穴を防げ

データで見る「選挙余剰金」全議員の調査結果

 一連の取材結果については、「市民に公開」を大原則としました。
その考え方に基づき、全ての調査結果をビジュアライズした特設ページを東洋経済オンライン上に開設しています。「議員の名前から探す」「政党から探す」「都道府県から探す」などの検索機能を使って調べることが可能。全データがビジュアライズされており、視覚的に実態を把握することが可能です。
選挙運動費用「余剰金」詳細データ(東洋経済オンライン、ビジュアルページ)

◆基礎データも全て公開

 調査で得た基礎資料(生データ)についても、市民が閲覧できるよう、LinkDateとGitHubの各サイトで広く公開しています。各サイトの利用条件に従えば、誰でも自由に使用できます。関連の取材や研究にも役立つのではないか、と考えています。
それぞれのサイトは以下を参照ください。
LinkDate
GitHub

◆「選挙余剰金」問題 取材の背景

 政治家の「政治資金」については時折、その不明朗な収支が問題になります。
では、選挙の際の「選挙資金」はどうなのか。
前者は政治資金規正法、後者は公職選挙法の規制を受けています。実は「選挙資金」を対象とした総括的な報道は、これまで日本にはあまりありませんでした。そこに焦点を当てたのが、一連のキャンペーン報道です。

 選挙の候補者は選挙後、2週間以内に各地の選挙管理委員会に対し、「選挙運動費用収支報告書」を提出することが義務付けられています。フロントラインプレスは衆参両院の国会議員を対象にそれらを取り寄せ、選挙の際の収入や使途、余った資金の行方などを徹底調査しました。各候補者と関係する「政治資金収支報告書」も全てチェックし、関連項目を突合させる必要もあります。
フロントラインプレスはメンバー約10人がこの取材に関わりました。
「選挙運動費用」と「政治資金」。その両方の報告書だけでなく、官報、各都道府県の公報、選挙管理委員会の関連文書など収集。情報開示請求もふんだんに使って書類を入手し、合計で1万ページ近い関係資料を読み込んで分析するという途方もない作業が続きました。当然、各議員への取材も必要になります。
一連の取材に際しては、「政治とカネ」の分析・研究では日本の第一人者である岩井奉信・日本大学法学部教授(政治学)、およびその研究室メンバーと取材時から協働し、一緒になって資料の解析に当たりました。岩井研究室の一角をお借りして作業することもありました。

選挙運動費用に関する資料の一部

日本大学法学部の岩井奉信教授(撮影:穐吉洋子)

 日本の報道機関はこれまで、専門家について「見解を聞かせてもらう相手」「コメントをいただく対象」として遇してきたことが多かったように思います。しかし、調査報道の取材プロセスにおいては、そこにとどまらず、条件が許せば取材時点から一緒に歩み、専門的な知見を取材・分析に生かしていくことが欠かせないと考えています。
調査結果を効果的に見せるビジュアルについては、東洋経済オンライン編集部の力をお借りしました。
岩井研究室、東洋経済オンライン編集部、そしてフロントラインプレス。この3者の「共同取材チーム」によって成り立った取材です。
一連のキャンペーン記事は、東洋経済オンラインの特設ページ「選挙余剰金を追う」にまとめられています。下のリンクからアクセスしてください。計7本の記事をまとめて読むことができます。
選挙運動の「余剰金」を追う(東洋経済)

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  FRONTLINE PRESSにはこの他、多くのメンバーが加わっています。政治、国際、経済、司法・省察、人権など多様な分野で取材経験を積んだ記者たち。あるいは専門分野を極めた研究者らも加わっています。...
 
 
   
 

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