警察のパワハラ、止まず 「昭和の警察」に決別できるか

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 警察組織でのパワーハラスメントが引きも切らない。年明け後も各地の警察でパワハラ事案が次々と報道された。新年の仕事始め式で本部長が「昭和の警察官の働き方、今年で一掃を」と訓示した警察もあったようだが、“パワハラ警察”からの脱却は本当に実現するのか。

◆兵庫県警のパワハラ、神戸新聞の情報開示請求で明らかに

 神戸新聞が情報公開請求で把握した事実として、1月26日に報じたところによると、兵庫県警本部交通課に勤務する40代の警部は部下を長時間叱るパワハラ行為があったなどとして、本部長訓戒となった。

 また、神戸市内の警察署に勤務していた30代男性警部を特別公務員暴行陵虐容疑で書類送検していた。この警部は2020年11月21日夜、酒に酔って警察署に保護されていた60代男性の所持品検査を実施。その際、財布で男性の顔をたたき、投げつける暴行をしたという。

◆長崎「係長をやめろ」、群馬「辞めたくなるまで攻撃してやる」

 長崎県では、上司からパワハラを受け、2020年10月に自殺した佐世保署交通課の男性警部補の公務災害(労災)が認定された。ことし1月24日付。長崎新聞などの報道によると、警部補は自殺するまでの約半年間、上司だった交通課長から同僚らの前で「できないなら係長をやめろ」などと強く叱責されていた。さらに、当時の署長や課長の指示で勤務時間の過少申告が常態化。実際の時間外労働は月200時間前後に達していたという。

 一方、群馬県警では、部下や後輩への不適切発言がパワハラに当たるとして、警察署勤務の警部補を本部長注意処分としていたことが明らかになった。処分は昨年12月17日。共同通信の1月24日の配信記事によると、この警部補は昨年6~11月ごろ、同じ署で勤務する部下と同階級の後輩の2人に対し「辞めたくなるまで攻撃してやる」「生意気だ」などと複数回にわたり発言していたという。県警は「個人の特定につながる」として、この警部補の年齢や性別、所属署を明らかにしていない。

◆秋田県警では土下座を強要

 秋田県では、県北部の警察署に勤務する50代男性警部がパワハラ行為をしたとして、所属長注意の処分を受けていたことが1月21日、秋田魁新報による県警への情報公開請求で判明した。報道によると、この警部は昨年9月上旬、同じ課に所属する20代男性巡査がパトカーで交通事故を起こしたにもかかわらず、署へすぐに報告しなかったことに腹を立て、誰も座っていない椅子を蹴ったほか、同僚たちへ土下座して謝るよう強要したという。

 警察官に関する処分については、警察庁の通達により、報道発表されないものもある。都道府県警察に対して情報公開請求すれば、報道発表されていないものも含めて、開示されるケースがある。また警察官の処分案件は公安委員会に報告されるため、定期的に開かれる公安委員会の議事録を開示請求すると、そこに記載されている可能性もある。

『“公務パワハラ列島”と化した行政職場 懲戒処分などのニュース途切れず』(フロントラインプレス 2022年1月6日)
『「大人のいじめ」を根絶せよ! 職場でのいじめ・パワハラ根絶に挑戦する』(フロントラインプレス 2021年12月4日)

 
   
 

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