懲戒30人、訓告197人 警視庁の“非違行為” 情報公開請求で2020年の実態を取材

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◆何が職務上の行為で、何が私的行為なのか

 減給処分は計22人。規律違反の分類で最も多かったのは、未成年とみだらな行為をするなどの「強制わいせつ・痴漢・盗撮等」で、10人を数えた。続いてスーパーでの万引きや自転車泥棒など「窃盗・詐欺・横領等」が4人。さらに、「勤務規律違反等」は3人いた。勤務中に自席で飲酒した所轄署の警視や、通勤のため高速道路通行券を何度も不正使用した保安課の警視が含まれる。

 警察庁が都道府県警察に宛てた通達「懲戒処分の発表の指針」によると、減給については職務執行上の行為でない場合は公表しないことになっている。フロントラインプレスの調べたところ、減給22人のうち報道発表されたのはわずか6人。残り16人は“私的な行為”で減給処分を受けたことになる。ただ、開示された文書には多くの黒塗りがあり、職務上の行為と私的な行為の境がどこにあったのかは外部者には判別できない状態になっている。

黒塗りが目立つ開示文書

 

 懲戒処分の中で最も軽い戒告は1人。町田署の警部補は2019年12月15日、コンビニのトイレにけん銃を置き忘れ、一時紛失したことから昨年2月に処分を受けた。

 一方、法律に基づく懲戒処分に至らなかった訓告は197人。このうち、訓戒は87人、注意は110人だった。パワハラやセクハラ、異性との不適切交際が理由の上位を占めていた。

■日本警察は「透明性のある警察」を目指しています。フロントラインプレスは警察内部の非違行為についても取材・報道を続けます。

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本間誠也
 

ジャーナリスト、フリー記者。

新潟県生まれ。北海道新聞記者を経て、フリー記者に。

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