自民党京都府連の“選挙資金マネロン” その実態を一覧表で公開

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◆西田昌司参院議員らを公選法違反(買収)で刑事告発

 自由民主党京都府支部連合会が国政選挙の前に、地元の府議や市議会議員らにお金を配布していたという問題が、先ごろ、月刊文藝春秋の記事で明るみとなり、その後、各メディアで報道が続いている。この問題で、神戸学院大学の上脇博之教授は3月12日、府連会長の西田昌司参院議員らを公職選挙法違反(買収罪)で刑事告発した。一連の自民党京都府連の問題での刑事告発は、2月28日の弁護士らによる告発に続き2件目。

 今回、上脇教授が刑事告発したのは、西田昌司京都府連会長、二之湯智前京都府連会長、次期参議院選挙に自民党公認で京都府選挙区からの立候補予定の吉井章前京都市議会議員ら計6人。

 告発状では、2014年に京都府連の事務局長が交代する際に作成された京都府連の「引継書」には、「候補者がダイレクトに議員に交付すれば、公職選挙法上は買収と言うことになりますので、京都府連から交付することとし、いわばマネーロンダリングをするのです」と明記されていたと『文藝春秋』が報道したことに言及。

 その上で、西田議員は自身が立候補した2019年7月の参議院選挙において、自身が代表を務める「自由民主党参議院京都選挙区第四支部」の政治資金1020万円を「自由民主党京都府支部連合会」に一度寄付をした上で、その資金を地元の府議、市議ら51人に配布した。それが公職選挙法違反の買収罪に当たると指摘している。同時に上脇教授は2012年以降の国政選挙において自民党京都府連で同様の買収行為があったことも指摘した。

 上脇博之教授は今回の刑事告発について、次のように語っている。

 買収の時効は3年なので2019年参院選の時の買収に限定して告発しました。長年、悪質なスキームで組織的に行われた買収は京都府連をトンネルにして行われていましたから、候補者と京都府連側が共謀しないと実現できません。そのため、当時候補者だった西田昌司参院議員と当時京都府連会長だった二之湯智国家公安委員長を買収の共謀で告発しました。

 被買収については、時効完成間近なので51人全員を告発するのを断念し、当時重要な地位にあった京都府連幹事長2名(菅谷寛志府議、吉井章市議)、京都府議会議員団団長1名(近藤永太郎府議)、京都市会議員団団長1名(橋村芳和市議)に限定しました。

 京都府連の買収スキームは『文藝春秋』のスクープ報道で全国に知れ渡ったので、もしも京都地検が刑事事件として立件しなければ、買収スキームは京都以外の全国に広がり、全国あちこちで買収し放題になるおそれがあります。是非とも京都地検は強制捜査して証拠を押収して買収事件として立件してほしいと思います。

 では、2012年以降の国政選挙で行われた自民党京都府連への寄付とは、どのようなものだったか。筆者(鈴木)は、そのリストを今回の告発状に基づいて再構成した。その内容を次ページの表で一気にお見せする。(直近の2021年衆議院選挙に関しては、収支報告書が公開されていないため告発資料には掲載されていない)

 

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鈴木祐太
 

ジャーナリスト。

地方の理系大学に在学中から、被差別部落・ベトナム難民などの在日外国人の子どもたちへの支援に関わる。

小学校臨時教員、派遣社員などを経て、ネットを中心としたメディアに関わり、「政治とカネ」「子どもの貧困」などの社会問題を中心に記事を発表してい...

 
 
   
 

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