官製ワーキングプアの真実【下】 「悔しかったら正規になってみろ」と言われて

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■「はむねっと」はこれからどうしていくのか?

 待遇改善に向けて、非正規の女性公務員は今どのような課題に直面しているのか。「はむねっと」は今後、どのような活動を計画しているのだろうか。

 やっぱり正規の職員の動きが鈍いですよね。非正規が向き合っている問題について、自分のこととして考えていないというか…。正規の職員には(非正規に対して)「自分は試験受かってるんだ。悔しかったらなってみろ」くらいのこと平気で言う人がいますから。「好きで(非正規を)やってんでしょ」とか。「いやだったら辞めればいい」とか。正規と非正規との間の溝は深いですね。非正規の方も一緒に公共サービスを支えてくれてるんだという思いはおそらくないでしょう。専門的に長くやってる(非正規の)方へのリスペクトも。

 あまり後ろ向きのことは言いたくないんですけど、アンケートなどにはそういうご意見も多かったですね。それでも、まだ少数かもしれませんが、正規職員の中には非正規の職員を気にかけて共に活動してくれる人もいます。正規も非正規もいる公務の職場が働きやすいものになることが住民にとってもいいはずなんです。そうした理解が進むよう活動したいと思っています。

「はむねっと」の活動の様子(提供写真)

 

 非正規の公務員が安心して働くことができるよう、「はむねっと」として正規の職員との格差を無くして同一労働同一賃金の導入と、希望する非正規が5年勤務すれば無期雇用に切り替わる民間並みの制度の採用を要求し続けたい。新しい制度について、首相や総務大臣、厚労大臣宛に見直しを要望する書面を11月に出したりもしています。地道な取り組みですが、全国の都道府県や市町村議会に、議員さんにも訴えたいと思っています。

 本年度の期末・勤勉手当について人事院から減額勧告が出ていますが、私たちはそれが会計年度任用職員に及ばないよう12月8日付で都道府県や政令指定都市などの人事委員会の委員長当てに要望書を提出しました。地方議会によっては、減額条例をめぐって非正規職員を対象としないよう求めている議員さんもおられますが、可決して減額が実施されるとの報告も聞こえてきています。何とか食い止めなければと思っています。

 結局、自分たちのことは自分たちが声を上げるところから始まるんだと思っています。(契約更新のこともあって)なかなか顔や名前を出して活動できる人は少なくて、状況は厳しいですけど。アンケートで寄せられた多くの当事者たちの声にこたえるためにも一生懸命、取り組んでいくつもりです。

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本間誠也
 

ジャーナリスト、フリー記者。

新潟県生まれ。北海道新聞記者を経て、フリー記者に。

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