自民党・中山泰秀氏(大阪4区)を刑事告発、政治資金規正法違反で/自民党裏金事件、908万円を収支報告書に不記載

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自民党安倍派(清和政策研究会)の中山泰秀・元衆議院議員が派閥の政治資金パーティー券収入から2018年以降の5年間で908万円のキックバック(裏金)を受けていたにもかかわらず、政治団体「中山泰秀後援会」の政治資金収支報告書にその事実を記載していなかったとして、中山氏本人と「中山泰秀後援会」の関係者ら3人が政治資金規正法(不記載および虚偽記載)などの疑いで、7月25日までに刑事告発された。

刑事告発したのは、一連の自民党派閥裏金事件の追及を続ける上脇博之神戸学院大学教授。

中山泰秀氏は、電通の社員を経て国政へ。2003年の衆院選で大阪4区から自民党公認候補として出馬し、初当選した。その後、防衛副大臣などを歴任。これまで通算5期、衆議院議員を務めた。直近の2021年の総選挙では、日本維新の会の候補者に小選挙区で敗れ、比例復活もならず落選した。次の総選挙には、大阪4区の自民党候補に内定している。中山泰秀氏の父は元衆院議員の中山正暉氏で、いわゆる二世議員。伯父は元外務大臣の中山太郎氏(故人)。

◆キックバック分は「事務所の車のローンなどに使った」。税務署職員なら「つじつま合わせ」を真っ先に疑うレベル

中山泰秀氏が代表を務める「中山泰秀後援会」は、一連の裏金事件を受けて2024年1月22日、1月31日の2回、政治資金収支報告書を訂正した。記載してなかった安倍派からのキックバックだけでなく、支出についても追加する形で訂正していた。

追加された支出は次の通り

  • ■2020年
  • ・61万2千円(事務所用車両ローン代)
  • ・92万4千円(駐車場代)
  • ■2021年
  • ・61万2千円(事務所用車両ローン代)
  • ・38万5千円(駐車場代)
  • ・132万6831円(倉庫代)
  • ■2022年
  • ・56万1千円(事務所用車両ローン代)
  • ・145万5千円(倉庫代)

追加分を合計すると、537万円になる。一方、2020年から2022年に「中山泰秀後援会」が安倍派から受け取ったキックバックは596万円。つまり、この訂正によって、キックバックされた金額のほとんどは車のローンや倉庫代、駐車場代に使ったと説明するかたちになっている。

ただ、事務所用車両のローンは2020年からの3年間で、毎月5万1千円を支払っていたとの記載になった(正確には35カ月分)。事務所の経費として毎月5万1千円を支払っていたのに、その記載を忘れていたということになる。新たに支出として加わった倉庫代や駐車場代も、毎月支払っていた経費なのに、すべて記載を忘れていたということらしい。また、受け取ったキックバックの金額に見合う分だけを、そっくり記載漏れしたということになる。

ふつう、こういう状態の文書を見せられたら、経理担当者や税務署職員は、真っ先に「つじつま合わせ」を疑うだろう。

(なお、収支報告書のインターネット上での公開は3年間だけなので2018年、2019年に関しては公開されていないので確認ができない)

中山泰秀氏のX公式アカウント

◆「政治資金は私物化されていたのではないか」と上脇教授

上脇教授はこの事務所用車両の支出について、次のように疑義を唱えている。

「訂正で書き加えられた“事務所用車両ローン代”については、疑念があります。訂正前から収支報告書の支出には“自動車購入代”として、2020年に約220万円、2021年に約173万円、2022年には約83万円が記載されています。しかし、報告書の資産の項目では『取得価格が100万円を超える動産』はない、となっている。となると、いずれも中山泰秀後援会の自動車ではなく、個人の自家用車ではないか? つまり、政治資金が私物化されたのではないかとの疑念が生じるのです。それが真実であれば重大です。裏金で個人の自家用車の支払いをしていたのではないかとの疑念が生じるのですから、中山泰秀元議員は説明責任を果たすべきです」

鈴木祐太
 

ジャーナリスト。

地方の理系大学に在学中から、被差別部落・ベトナム難民などの在日外国人の子どもたちへの支援に関わる。

小学校臨時教員、派遣社員などを経て、ネットを中心としたメディアに関わり、「政治とカネ」「子どもの貧困」などの社会問題を中心に記事を発表してい...

 
 
   
 

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