自民党安倍派(清和政策研究会)の裏金事件に関連し、参議院議員の岡田直樹氏(石川県選挙区)が総額774万円の裏金を受け取っていたとして、岡田氏、および岡田氏が代表を務める政治団体「自由民主党石川県参議院選挙区第2支部」の会計責任者ら計3人が政治資金規正法違反(虚偽記載、不記載)で26日、東京地検に刑事告発された。岡田氏は第4次安倍内閣・菅内閣で官房副長官を務めたほか、岸田内閣では地方創生などを担当する内閣府特命大臣を務めた。
告発したのは、自民党裏金事件の追及を続ける上脇博之神戸学院大学教授。今回の岡田氏に対する告発で、一連の裏金事件に関する上脇教授の告発は35人目となる。
自民党の調査によると、岡田氏は、安倍派のパーティー券収入から2018〜2022年の5年間で計774万円の裏金を受領しており、党から「戒告」の懲戒処分を受けていた。今回、刑事告発されたのはすでに公訴時効となった2018年を除く4年分(総額690万円)。
岡田氏は、東京地検特捜部の捜査が終了した後のことし2月19日、政治資金収支報告書の訂正を選挙管理委員会に申し出。安倍派から受け取った774万円については、寄付の日付を不明とし、金額だけを計上する訂正を行った。一方、この日の訂正では、支出も新たに記載。例えば、「情勢調査費 200万2千円 令和4年4月27日」が2件・計400万円余りが追加された。この訂正を行うまで、岡田氏側は400万円以上の支出に気が付かず、記載していなかったことになる。
刑事告発をした上脇博之神戸学院大学教授は次のように指摘した。
「岡田氏の選挙区支部は、裏金の一部を渉外費などの目的で計95件も支出しながら、その明細を収支報告書に記載していなかった。(こんなにも多数の記載漏れは過失とは言い難く)故意だったことは明らか。政治資金規正法違反の不記載・虚偽記入に相当する」
岡田氏は石川県議会議員を務めた後、2004年の選挙で初当選した。