水中に眠る船、都市、集落――人類の営みをたどる「水中考古学」の世界

  1. オリジナル記事

◆幕末に活躍の沈没船、千葉沖で見つかる

 ウル・ブルンに沈んでいた船だけではない。世界の海にはさまざまな時代の船や都市も眠る。人類の営みの痕跡は、あちこちの水底に残っている。

 海に囲まれた日本も例外ではない。例えば、江戸幕府の軍艦「開陽丸」は1974年に北海道の江差(えさし)港で見つかった。鎌倉時代の「元寇船」は2011年に長崎県鷹島(たかしま)沖で発見。静岡県熱海市沖の初島周辺などでは、現在も沈没船の潜水調査が続いている。

東京海洋大学の研究チームによる静岡県・初島沖の調査。水中ロボットを使っている(提供:東京海洋大学)

初島沖の調査では沈没船から徳川家の家紋の「三葉葵(みつばあおい)」を彫り込んだ鬼瓦が発見された(提供:東京海洋大学)

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伊澤理江
 

ジャーナリスト。

英国ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 新聞社・外資系PR会社などを経て、現在はネットメディア、新聞、ラジオ等で取材・執筆活動を行っている。フロントラインプレスが制作協力したTokyo FMの「TOKYO SLOW NEWS」の...

 
 
   
 

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