政治とカネの調べ方 政治資金・後編

  1. How To 調査報道
◆政治資金を調べるために“技能”は必要?

 ――政治資金を調査するためには、どんな能力や技能が必要ですか?

 本間 特にありません。強いて言えば、粘り強さというか、執念です。

 ―― ジャーナリストでなくても、調査はできるわけですね?

 本間 もちろんです。問題意識があれば誰でもできます。みんなが関心を持つことで政治家の側の意識も変わる可能性があるし、多くの人の声がなければ現状の制度のゆるさは改まらないと思います。

 ――政治資金の使途を自らのHPで公開する議員はほとんどいません。どうしてでしょうか?

 本間 収支報告書の支出項目である「政治活動費」に、使途に関する規定はありません。しかも、議員にとってメーンの「財布」である政党支部については、5万円以上の支出でなければ記載する必要はありません。したがって、会計責任者がきっちりとルールを厳守する人でない場合は、与野党を問わず、大半の政治団体がおよそ政治活動とは無縁と思われる物品を政治資金で購入しているのが実態です。

 自身のHPで政治活動費の内容をすべて公開している議員はほとんどいません。公開できるほどのクリーンさはないと政治家自身が自覚しているからでしょう。実感として、政治団体の収支報告書上の残高と、その政治団体の預金口座の残高が実際に合致するケースは皆無に近いと思っています。

 政治家が、どれだけルール厳守を自らに課しているか、自分の秘書である会計責任者にどれだけルールを守るよう言い聞かせているか。議会とはつまるところ、税金の使途を決める場です。そんな重要な役割を有権者から付託された議員が、カネの扱いにいい加減だったら? 与野党を問わず、そんな人物に税金の使途を決めさせていいのでしょうか?

 政治家の資金を調べることは、調査報道のキホンのキだと私が言うのは、まさにそうした実態があるからです。これまでに説明したように、政治家の資金を調べること自体はそう難しいことではありません。しかし、一般の人は忙しくて、そんなことやっていられない。そこにジャーナリストの存在意義はあるし、調査報道の意味もあるのだと思います。

=終わり
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本間誠也
 

ジャーナリスト、フリー記者。

新潟県生まれ。北海道新聞記者を経て、フリー記者に。

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